- 2024.09.11
- モノづくり日記
機械の医者
こんにちは、社長の寺本です。 寺本鉄工の創業者もある私の父は現在87歳で、会社からは引退しておりますが、今でもたまに経営的な事、技術的な事のアドバイスをいただいております。 そんな父から、最近身体がむくんでるみたいなので、病院に連れて行ってほしいと言われました。父は免許を返納しており、また先日腰の手術をしたのもあって、歩くのもやっとなので、病院に行く時などは私を頼ってきます。たまたま私も時間が空いていたのでその日のうちに近所の病院に連れて行きましたが、その病院では原因がわからないということで、日本赤十字病院を紹介してもらい、翌日に父を連れて行ってきました。 混んでいたのもあり、朝10時の予約で、会社に戻れたのは17時ころでした。再度詳しく検査するということで翌々日も朝8時の予約で病院に行き、会社に戻ったのは14時ころですから、待ち時間も含めると合わせて約1日半病院で検査してもらったことになります。 こんなに長時間、病院にいるのはなかなか経験ないんですが、改めてお医者さんってすごいし、大変だし、本当に一生懸命なんだなってつくづく思いました。普通1人の先生ですが、私の父には若い男性と若い女性の先生がついてくれて、お二人で相談しながら検査結果を確認してくれていました。若いのに(この言い方が年寄りかもしれませんが)立派ですね。本当に一生懸命なんですよ。それが先生にとっては当たり前なんでしょうけど、感心しちゃいました。 身体がむくむ⇒心臓?血液?⇒採血、心電図、心エコー、レントゲン⇒輸血、薬・・・医者じゃないので、うまく表現できませんが、言いたいのは、「身体がむくむ」という症状から、いろんな事を連想して、検査し、その結果また別な検査をして、その結果でどうするのか?、薬で様子を見るのか、すぐ手術などで対応するのか・・・今までにいろんな事を勉強し、そして実際の患者でいろんな事を経験し、それらが頭の中で整理され、次から次へと進めていく・・・。 これって、我々がやっている機械の仕事と同じだと思いました。昨日まで何のトラブルもなく動いていた機械が急に止まる、誤動作する、不良率が増えるってたまにあります。もちろんすぐにお客様の会社に行ってな直さなければなりません。問題は昨日までと何が違うか、何が変わったかですね。真っ先に疑うのは断線ですが、これじゃないとすると1つ1つ疑わしい箇所を点検していきます。⇒購入品の劣化?電気?エアー?⇒異音はしていないか?電圧がどうなのか、エアー圧は下がっていないか⇒すべて正常⇒??? 私は最近はもうお客様の現場に行くことはほとんどありませんが、昔経験した話でこんなことがありました。ある日機械が急に動かなくなったという連絡があったのでお客様の工場に見に行き、上記のような確認作業を1つ1つやっていきました。が、1日調べても2日調べても原因がわかりませんでした。そして3日目にお客さんから初めて聞いたのですが、なんと動かなくなる前日に照明を蛍光灯からLEDに変えていたんですね、原因はそれでした。今まで、正常に作動していたセンサーが周りの明るさの条件が変わったために、正常に検知しなくなっていました。 若いまだ経験が浅い社員には、機械が急に動かなくなった場合、固定概念(そんなところ関係ないと思う所)を捨てて、いろんな事を疑いなさいと日々伝えています。機械は正直です。何か1つでも異常な箇所があると動かないです。お客様は、1日でも1時間でも早く復旧してほしいはずです。その為には、我々エンジニアも、それ相当の知識、経験を蓄積する努力が必要ですね。そういう面で病院の先生も我々もいっしょだなと、父の病院に付き合いながら、ずっとそんな事を考えていました。