- 2025.03.24
- モノづくり日記
また1人レジェンドが去りました
こんにちは、社長の寺本です。 本日3月19日を以て、また寺本鉄工のレジェンド(牧野さんと言います)が1人、退職しました。その方は1970年に18歳で入社して、13年前に一旦定年退職した後、雇用を延長してもらっていました。昨年、そろそろ身を引きたいと申し出があったのですが、まだまだ牧野さんから教わることが多いので、あと1年だけと無理を聞いてもらいました。残念ですし、寂しいですが、とうとう本日をもって完全に退職という事になりました。 なんと55年も勤めてもらったんですね。まさにレジェンドです。当社は創業して57年ですから、創業間もない頃からずーっと寺本の歴史を作ってきていただいたということです。 寺本鉄工は私の父が57年前に加工と組立が得意な会社として創業しました。福井では「寺本」って聞くと「いい仕事をする会社ですね。」って必ず言われるくらい当時からその技術は高かったと聞いております。その中心にいたのがまさに牧野さんなんですね。 現在でこそ当社は設計から加工、組立、電気を一貫して行うセットメーカーですが、創業して25年くらいは、完全な下請けとして、様々な業種のお客様から図面を支給してもらって加工と組立を行う会社でした。牧野さんは医療、食品、木材、建設、車両、衣料、半導体、工作機械、レーザーなど、どんな業種のどんな機械も、組み立てられない機械はなかったです。大げさではなくそれくらいすごい人でした。0.01mmの精度を要する機械から長さ20mもある装置だったり、書けば書くほどその偉大さが思い出されてきます。 牧野さんが多くの社員に技術を伝授してきてくれたおかげで当社は今でも「技術の寺本」してお客様から高い評価を得ております。本日就業後、社員みんなで食堂にて簡単な送別会を開きました。送別会では10個ほどの質問をクイズ形式にしてみんなで答えるのですが、さすがレジェンドという答えもあったり、誰も入社してない頃で、そんな事は誰も知らんやろという答えだったりと、最後にみんなで楽しく送り出すことができたと思っております。私も牧野さんとは私が入社した時からですから38年間もいっしょに働いてきて、たくさんの思い出があります。さすがに最後の挨拶にはちょっとウルってきてしまいました。 牧野さんの「技術の寺本」の「顔」としての計り知れない功績と実績は会社にとっても、私にとっても、そして共に働いた社員にとってもかけがえのないものです。これからは、自分の時間を大切にして、お元気で充実した日々を過ごしていただけたらと思います。 長い間、お疲れさまでした。ありがとうございました。